陰日向に咲く

陰日向に咲く (幻冬舎文庫)

陰日向に咲く (幻冬舎文庫)

ミーハーで軽いものをさっくりと。実はあまり期待していなかったのですが、ちりばめられたプロットにはっとしました。日向を歩くことのない人々の、悲しみと葛藤。最後のくだりは驚き。かなり面白かったです。芸人さんが書いているだけあって、思わずうまいなあーとうなってしまうところもありました。随所にネタが散りばめられ、発想豊かな作者の様子が伺えます。
読み終わったあとで、森山直太朗の歌「生きてることが辛いなら」を思い出しました。賛否両論の歌詞とのことですが、この歌詞を理解できる人があたしは好きです。「陰日向に咲く」に登場する人々は、きっとこの歌の本当の意味を知っているんじゃないかな、と思いました。「くたばる喜び 最後にとっておけ」深い深い歌です。